栄養を通して健康・社会に貢献 栄養教育と栄養指導サービスの「日本医療栄養センター」

栄養小話 地球の食生活 No,1

栄養指導・栄養相談をする時にあると助かるミニ知識! 
井上正子の栄養小話  ~地球の食生活「水銀」①~

■海に流れ込む「水銀」の量が3倍に増加!?

                     解説者 日本医療栄養センター 所長 井上正子


 食べることは、私たちが生きるうえで欠かせないこと。
そして生きる喜びを実感するものです。
 ところが最近は、食品の安全性をゆるがす問題が
浮上し、有害金属(水銀・ヒ素・カドミウム・鉛など)、ダイオキシン類(PCBなど)
が、あらゆる食品にまぎれこんでいます。
 そこで、日本人の大好きな魚からからみていきますと、四方を
豊かな海に囲まれた日本では、太古の昔から魚は重要な食糧源でした。
 飽食の時代となって、食卓に肉料理が並ぶ機会が増えたものの、
いまなお日本は、世界でトップクラスの魚の消費国。市場に出回っている
魚は600種類を超えるといわれています。

 ところが、いまその魚が毒によって汚染され、私たちの健康をおびやかす
重大因子に変身。魚を愛してやまない日本人にとって、じつにショッキングな話です。
 近ごろ話題の魚油の健康効果を考えあわせると、魚を食べられなくなる損失
は計り知れません。いったい魚の何が危険なのでしょうか?
汚染物質のひとつ、「水銀」についてのテーマで栄養小話を
3回にわたってお届けしていきたいと思います。

 魚に含まれる汚染物質の代表が、「水銀」です。水銀はもともと火山の爆発や
地殻変動などによって、地球内部から噴出され、地上に出てきたもの。それが
大気中に舞って、雨とともに地上へふりそそぎ、大地に浸透。一方で、人をはじめ
動植物の体内を出入りしながら、最終的にはすべての水銀は海へ流れ込んでいきます。
 なぜなら、海は地球上で最も低い所に位置するからです。
それでも、本来は、水銀が海で汚染されることなどありませんでした。
自然界で噴出される水銀の量は限度があるからです。



 日本医療栄養センター 井上正子

 ところが、主に20世紀になって水銀が工業的にたいへん
便利な物質であることがわかり、状況が一変しました。



  日本医療栄養センター 井上正子

 火山の噴火を待つまでもなく、鉱脈から掘り起こした水銀
が多量に出回り、様々な分野で利用されるようになった
からです。ごく身近なところでは、体温計や水銀灯、消毒液
などに使われていたことっは、ご存じの方も多いでしょう。
 その結果、海へ流れ込む水銀の量は一気に3倍まで増加
したとのことです。
 これは地球の自浄能力をはるかに超える量です。

さて、次回は私たちに身近なお魚「マグロ」と水銀の関係について解説していきます。